『アサッテの人』

メガネさん

2007年10月24日 01:26

こんばんは、メガネです。




諏訪哲史著 (講談社)

第137回芥川賞、第50回群像新人文学賞 W(ダブル)受賞
村上龍氏以来、30年ぶりの快挙だそうです。
筆者の叔父さんについて書かれた物語なんですが、合わない人にはどんなに頑張っても馴染めないと思います。

いきなり「ポンパッ!!」という擬音が登場するあたりで、いきなり面食らって本から離れてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?(笑)

ほかにも「チリパッハ」、「ホエミャウ?」、「どちりなキリシタン」などなど、理解に苦しむ擬音語がたびたび登場するのですが、それは呼んでみてのお楽しみ。


物語自体を客観的に見てみれば、どこか物悲しく感じましたね、僕は。
独特の世界観を持つおじさんに訪れる悲しい別れ。
そこから崩れていく世界観とともに、変わっていく叔父さんの心境が「一応」順を追って描かれていきます。
(あくまでも叔父さんの手記を基に筆者が筋立たものなのですが)

>合わない人にはどんなに頑張っても馴染めないと思います。

どちらかというと、僕もコレを読むのにかなりエネルギーが必要だった部類に入ります。(笑)
何度も何度も読み返していくと、年齢を重ねていくにつれて受ける印象の変わる作品になるのではないか、という予感はあります。
ふと思い出した頃に読み返してみるとまた違うかもしれませんね。


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