『天地明察』
こんばんは、メガネです。
本屋大賞2010の第1位に見事選ばれた本を読んでみました。
ノミネート作品全部を買って読むことは到底できませんでしたが、これは全くのノーマークでしたね~。
「植物図鑑」、「神様のカルテ」、「1Q84」だけで予算的にギリ。(笑)
「神様のカルテ」がいいとこいくんじゃないかなーって思ってたんですけど、これ読んで納得。
『天地明察』
2009年11月30日 初版発行
2010年4月25日 第7刷発行
著者:冲方丁(うぶかたとう)
発行:株式会社角川書店
定価:¥1800+税
2010年5月4日読了
「時代物」だという程度の前評判しか聞いていなかったのですが、大賞に選ばれるだけのことはあります。
オススメです。
江戸時代に新たな「暦」を作るという大事業を担うことになった主人公「渋川晴海」と、それを取り巻く人間関係や心の動きの描写が本当に見事でした。
一言に「暦」を作ると言っても、天に挑むなどというのはタブーだったんですね。
そして、この暦が800年に渡って使い続けられてきた、ということが余計に「大それたことを」と非難を浴びることになったわけです。
命は受けたものの、懐疑的な幕臣や学者、更には京の公家までも相手に自分の「暦」が従来のものよりも優れていることを証明し、認めさせなければならないのですから、それはもう大変です。
そんな逆風にもまれ、挫折しながらも生涯をかけて実現するという物語。
それにしても、時代小説で算術や天体の難しいお話のハズなのに、ラブコメの要素あり、青春もの要素あり、と本当に読みやすかったです。
目標に向かってただひたすら真っ直ぐな「晴海」の姿には爽やかな好印象を持ちますし、彼を支える人物たちは彼の生涯を通して感動を与えてくれます。
小難しい歴史の本ではありません、是非読んでみて下さい。
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