『宵山万華鏡』
こんばんは、メガネです。
積み上げられた未読本の中から、ようやく森見さんのところまで読み進んできましたよ。
『宵山万華鏡』
2009年7月10日 第1刷発行
著者:森見登美彦
発行:株式会社集英社
定価:¥1300+税
一言、スゴイに尽きます。
お話の種類が違うので優劣つけにくいのですが、僕は「夜は短し歩けよ乙女」よりも好きかもしれません。
作品の完成度としても、本作の方が高いんじゃないかなと思います。
それでは以下レビューを。
宵山を舞台に繰り広げられる6編。
それぞれの主人公たちの視点で描かれている宵山は微妙に違うのですが、接点があったりなかったり。
同じ人物のハズなのにそれぞれの主人公のとらえ方によってその姿が微妙に変わってくるところがスゴイ。
宵山に繰り出す姉妹のお話から始まるのですが、ちょっとだけ怖いかなーぐらいのものだと思ってたんです。
で、読み進めていくと大学生による森見氏恒例(?)の(笑)バカ騒ぎネタが出てきて「お、最初はちょっと怖かったけど今回もこういう系か」と思った矢先、お話は得体のしれない恐怖感が支配していきます。
繰り返す宵山。
毎日目覚めるたびに主人公以外には同じ1日がただひたすら続けられているのですが、一部の人間は繰り返される宵山を知っている。
どうすれば、宵山から抜け出すことができるのか。
姉妹の怖い話に学生のバカ騒ぎがどうやって繋がるの?
それだけでなく、繰り返す宵山??一体どういうこと???(笑)
それは読んでみないとわかりません。
現実なのか幻なのか、かみ合うハズのない物語が1つの作品として読者に驚きを与えてくれるでしょう。
好みがハッキリわかれそうですが、僕は好きですね~。
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